ミツバチの分業システムとハチミツ

サザンカとミツバチ 養蜂

今回はミツバチの話。

ハチミツは「誰」が作っているのかということを、ミツバチたちの分業システムをふくめて養蜂家目線で説明します。

ハチミツを作っているのは誰か

パンに塗ったり、飲み物に入れたりする甘いハチミツ、このハチミツって「誰」が作っているか知っていますか。

ミツバチと答えた人、正解です。

決して養蜂家ではありませんからね。養蜂家はミツバチが作ったものを瓶につめているだけです(笑)

でも、今回はもう少し深く、巣箱にたくさんいるミツバチの中の「誰」がハチミツを作っているかということを考えていこうかと思います。

分業の種類と役割

そのためには、まずは何より巣箱の中にどんなミツバチたちがいるのかを知ってもらう必要があります。

なので、まずは群れのメンバー紹介、それぞれの役割から説明します。ざっくりいうと巣箱の中には3つの異なる役割をもつミツバチがいます。

1つめは女王バチ

女王バチは巣箱の中に1匹しかいません。彼女の仕事は産卵のみ、他のことは一切しません。毎日、朝から晩まで空っぽの巣房(すぼう)を見つけては産卵をし続けます。

2つめは働きバチです。

その数は数千匹からピーク時には数万匹になります。彼女たちのお仕事はたくさんあります。産卵以外のすべてをやると思ってください。

そして3つめは雄バチ

自然の状態で飼育していると巣箱の中には1割くらいの数になります。まあ、近代養蜂においては諸事情でそんなにいないんですけど、この辺は話が脱線するんで軽く「巣箱の中にはオスの蜂もいる」とだけ思っていてください。

雄蜂の仕事は特にありません。実際にはちゃんと役割があるのですが、基本的には何もしない、働かないやつらだと思って良しです。

このように巣箱の中では、女王バチ、働きバチ、雄バチといった3つの役割を持つミツバチが生活しています。

では、この3種類のうち「誰」がハチミツをつくっているのでしょうか?

もうお分かりですね「働きバチ」です。

女王バチは産卵しかしないし、雄バチは何もしない。

必然的にハチミツづくりは働きバチのお仕事になります。

ということで、ハチミツは誰が作っているのか?  の回答は働きバチだということになります。

でも、これではつまらないので「誰」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

内勤バチと外勤バチ

そもそもハチミツとは何ぞやというと、ざっくりいえば「ミツバチが花の蜜を加工したもの」です。

加工とは「ミツバチが酵素を加えて水分を飛ばす」ことです。酵素の作用で花の蜜は化学的に変化(糖の分解)し、水分を飛ばすことで物理的に変化(濃縮)してハチミツに変わります。

ということで、ハチミツづくりは材料である花の蜜を集めることから始まります。

では、これをするのは「誰」でしょうか? また、集めた花の蜜を加工するのは「誰」でしょうか?

もちろん、どちらも答えは働きバチになります。

でも、巣箱にたくさんいる働きバチは、実はそれぞれ明確に役割分担がされているのです。

ざっくりいうと「外に出て花の蜜を集めに行く係」と「巣箱の中でハチミツをつくったり育児をしたりする係」に別れています。

外に出て花の蜜を集めてくる係を「外勤がいきんバチ」、巣箱の中で働いている係を「内勤ないきんバチ」といいます。

ということで、ハチミツは外勤バチが材料を集め、内勤バチが加工をして作られているということになります。

でも、こういわれると働きバチを外勤と内勤に分ける基準はなんだろう? という疑問もでてくるかと思います。

働きバチを外勤と内勤に分けている基準、それは「年齢」です

ミツバチの場合、正しくは日齢にちれいですが、要は若いものが内勤、年をとったら外勤になります。

生まれたばかりの働きバチは巣房すぼうの掃除をはじめます。

そのあと幼虫の世話をする育児、蜜蝋を使った巣作り、ハチミツづくり、巣門の守りをなどを経て、人生、蜂生かな? の最後にようやく外にエサを採りに行くようになります。

だいたい成虫となってから外に出てエサを採りに行くようになるまでの期間は、3週間くらいだと言われています。

そのあと働きバチは寿命が来るまで外勤バチとして働きつづけます。

ちなみに、ミツバチの成虫になってからの寿命は1ヶ月(5週間)くらいです。

だから、実際に花の蜜をとりにいく期間というのは1〜2週間ということになります。

ハチミツは誰が作っているのか

ということで、ハチミツを作っているのは誰かと問われたら、回答は「働きバチ」だと言うことになります。

外勤バチが集めて来た花の蜜を内勤バチが加工してハチミツにしています。

もう少しイメージを膨らませて「ハチミツは子育てがおわったパワフルな女子たちが作っている」ともいえます。

働きバチはみんなメスですからね。

こう考えるとハチミツへのありがたみと親しみが増すように思いますがいかがでしょう?

まとめ

ここまでの話をまとめると

  • ハチミツは働きバチがつくるもの
  • 働きバチは年齢によって内勤と外勤にわかれる *正しくは日齢
  • 花の蜜を集めてくるのは外勤、加工してハチミツにするのは内勤の仕事

こんな感じになります。

以上、ハチミツを作っているのは誰か という話でした。

では、また ^ ^

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