今回はミツバチのことを書きます。
訪花の話です。
ミツバチはどうやって花を選んでいるか、それを踏まえてミツバチが来てくれるようにするにはどうしたら良いかを説明します。
ミツバチはどうやって花を選んでいるか
「ミツバチが庭に来てくれるようにしたくて花を植えてはみたものの、全然きてくれないのよ。」
ハチミツを売ってるとそんなことを言われることがあります。
話をきくと、そういう人はたいていちゃんと好きな花を調べて植えてくれてます。
それでもミツバチが来ないと。
となると解決策はひとつ、
「とりあえず夏に咲く花をたくさん植えてみてください。」
です。
なんでそうなるのかを説明しますね。
ミツバチが気にする3つのポイント
ミツバチは蜜を集めにくる花を決めるのに3つのポイントを気にしているといわれています。
質、量、距離です。
質というのは、品質のことでざっくりいうと甘さです。
甘さ = 糖 = カロリーです。
ミツバチはカロリーを手に入れるために蜜を集めるているわけですから、当然カロリー含有量が多い方がいいという話です。
次に量ですが、これはその場所で得られる全体の量のことです。
一つずつの花で比べると蜜の量が少なくても、たくさん花をつけたり群生していたりすれば同じように評価されるという意味です。
セイタカアワダチソウは一つ一つは小さな花で蜜もちょっぴりしかありませんが、いっぱい花をつけて、かつ群生するのでミツバチ的には価値が高めになります。
一方でカボチャは花の数は少なめでも一つの花からたくさんの蜜がでるので、これはこれで価値が高めになります。
要は、その辺りにいくと手に入る蜜の量を比較して多い方が価値が高いという話ですね。
あとはそこにたどり着くまでの距離も比較の対象です。
これは同じものなら近いところにある方がいいって話なのですが、実際はもう少し複雑です。
先に述べた2つ、質と量についてはまとめて考えると、ミツバチは同じ労働でゲットできる報酬(カロリー)が多い方を選ぶという言い方ができると思います。
人の思考と同じですね。
おんなじ仕事なら高い給料もらえる方がいいじゃんという理屈です。
距離はその報酬(カロリー)を手に入れるためのコストの話になります。
人でいうと交通費のイメージですかね。
ミツバチの仕事は職場までの交通費が支給されない、自腹を切らないといけない仕事なんだと思ってください。
この場合、同じ給料なら近い方がいいですよね。
その方が身入りがいいですから。
さらにいうと少しお給料は下がっても、自腹を切る額が少なくて近い職場があればそっちの方がいいかもしれないという考えも浮かんできますよね?
コスパの話ですね。
給料が高くても自腹の交通費を差っ引いたら、近くて給料安い方が身入りがよくなることがあるという話です。
ミツバチはこの視点をもっています。
遠いとそこまで飛んでいく燃料、エネルギーを消費しないといけません。
あんまり遠くに行くと働き損のくたびれ儲けになるってことをちゃんと理解しているのです。
ミツバチが来ない理由
こんな感じでミツバチは蜜を集めに行く花を選んでいます。
だから、もしミツバチが好きな花を植えているのにミツバチがきてくれない・・・というときは、
周りにもっと条件のよい餌場が存在する可能性があります。
野山や公園などお庭よりも広くてたくさんの花が咲いているところが近所にあるということです。
この場合、たとえ同じ花がお庭にあったとしても量で負けてしまいますからね。
ミツバチは来てくれません。
公園の桜が満開で野山で菜の花が咲きまくっているときは、お庭の小さな花畑は見向きもされないということです。
あとはシンプルにそもそも近くにミツバチが住んでいないということも考えられます。
ミツバチの行動範囲はおおよそ2〜4kmくらいといわれています。
これは逆にいうとお庭から2〜4km以内にミツバチの巣がないと来てくれないということでもあります。
巣が近くにないから来ない。
これもミツバチがお庭に来てくれない理由の一つになります。
ミツバチが来るようにするには
じゃあ、ミツバチが来てくれるようにするにはどうしたらいいかというと、野山や公園に花が少ないときに咲く花を庭に植えるのが良いと思います。
競合する場所が少なければ少ないほどお庭が選ばれる確率が上がりますからね。
それにミツバチの行動範囲は餌がないと広がるといわれています。
外国だと10kmも飛ぶことがあるらしいです。
さすがに日本でそんなに遠くから来ることはないでしょうが(日本は自然が豊かだから)、餌がないときは普段ならきてくれないような離れた場所からでも来てくれる可能性があるのです。
だから野山が花不足のときに咲く花をお庭に植えたほうが、ただお花を植えておくだけよりもミツバチが来てくれる可能性が高くなります。
具体的にいつが良いかというと、7月から9月の間です。
いわゆる夏ですね、業界では夏枯れというのですが、この時期は野山の花が極端に少なくなります。
だから、この時期に咲く花をチョイスしてお庭に植えるべしです。
もちろんミツバチが好きな花の中からです。
ハーブ類がちょうどその時期に花をつけるので、個人的にはおすすめです。
特にバジルとローズマリー。
お料理に使いやすいですしね(笑)
まとめ
ここまでの話をまとめると
- ミツバチは質、量、距離で花を選ぶ
- 近所に大きな蜜源があると小さなお庭に勝ち目はない
- 花の少ない7~9月に咲く花を選んで植えるとミツバチが来る可能性が高くなる
こんな感じになります。
お庭にミツバチを呼びたい場合、花が少ない時期に咲く花を選んで植えておくと来てくれる可能性アップです。
やってみてくださいね。
ちなみに水場も作るのもオススメです。
以上、お庭にミツバチを呼びたいなら夏に咲く花を植えると良いという話でした。
では、また ^ ^