今回はミツバチのことを書きます。
蜂に関する注意事項の話です。
ミツバチの近くで食べてはいけないものがあるということを、なぜ食べてはいけないのかという理由を含めて説明します。
危険を知らせる匂い
蜂(はち)に関する注意事項でよく言われているのが、「黒い服で近づいてはいけない」と「匂いの強い整髪料や香水をつけない」の2つです。
でも、ミツバチに関してはもうひとつ「バナナを食べてはいけない」というのがあることをご存知でしょうか?
バナナとはあの黄色いバナナのことです。
「はあっ!?」
かもしれませんが、これは本当の話です。
養蜂業界では古(いにしえ)より「ミツバチをさわる前にバナナを食べてはいけない」伝わっているのです。
なぜでしょう?
その答えはミツバチの警戒フェロモンの匂いにあります。
警戒フェロモンとは、ミツバチが仲間に「やばいぞ、みんな気をつけろ!」と知らせるために発する「匂い」のことです。
要はミツバチたちの危険信号、エマージェンシーのサインです。
この匂いが何を隠そうバナナの匂いなのです。
まあ、化学的な成分がどうとかはよくわかりませんが、現場で嗅ぐその匂いはまさしくトロピカルなバナナの匂いです。
それも、どちらかといえば果物のバナナそのものというより、バナナ味のお菓子に使われている匂いに近い人工的な香りがします。
エマージェンシーのサインである警戒フェロモンは、ミツバチが攻撃的になるきっかけみたいなものです。
なので、それに近い匂いがするバナナを食べてミツバチを触ると、勘違いされて刺されるぞということです。
これが「ミツバチをさわる前にバナナを食べてはいけない」という格言の意味するものです。
養蜂家の職業病
そんなこともあり養蜂をやっているとバナナの匂いに敏感になります。
警戒フェロモンを感じたミツバチはヘタしたらまとめて襲ってくるので、バナナのにおいは養蜂家にとっても「やばいぞ、気をつけろ!」のエマージェンシーのサインになるからです。
刺され慣れているとはいえ、だれも好き好んで痛い思いしたくないです。
なので、内検中(巣箱の中をみること)にバナナの匂いを感じた場合は、すぐに燻煙器で煙をかけてバナナの匂いをごまかします。
そして、いったん体の動きをとめて「君たちの敵ではない」ことをミツバチにアピールすることになります。
そんなふうに養蜂家の体には「バナナの匂いが危険なもの」だということが体に刷り込まれているので、養蜂家は日常生活でもバナナの匂いを嗅ぐと心臓がキュッとなってします。
パブロフのイヌ的なやつですね。
私の場合、子どもがチョコバナナアイスが好きなので、夏はゴミ箱のフタを開けるたびにその匂いで心臓がキュッとなります。
養蜂家の職業病です(笑)
なので、もしあなたの周りにバナナの匂いに過敏に反応している人がいたら、隠れ養蜂家かもしれませんよ。
注意してみましょう ^ ^
以上、ミツバチの近くでは食べてはいけないものがあるという話でした。
では、また。
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