100匹のスズメバチに襲われたらミツバチは勝つことができるのか?

スズメバチ補殺器にはいったスズメバチ ミツバチのこと

この記事はミツバチとスズメバチが戦ったらどうなるかという話を紹介します。

秋になると繰り広げられるミツバチとスズメバチの仁義なき戦い。

さて、どちらが勝つのでしょうか?

ミツバチが集団攻撃でスズメバチを倒して勝つんでしょというあなた、するどいです。

でも、実際はそうとは限りません。

ミツバチが集団でスズメバチを倒すことはよく知られていますが、コレって数あるミツバチ vs スズメバチの結末の一部分でしかありません。

本当は、もっと色々な結末が待っているのです。

スズメバチとミツバチが戦ったらどうなるか?

というのも、ミツバチの巣を襲いにくるスズメバチは何種類かいて、それぞれ攻撃方法というか、攻撃目標が違うのです。

そして、襲われる側のミツバチにも種類があって、対スズメバチ用の戦術を持つものと持たないものがいます。

もちろんお互いの人数(蜂数?)によっても戦い方が変わってきます。

要は、バトルのシチュエーションが色々あり、それによって結果も異なるよとということです。

なので、バトルのシチュエーションをざっくりと分けて、それぞれ「戦ったらどうなるか?」を説明していきたいと思います。

  • スズメバチとミツバチのタイマン(1対1)
  • スズメバチ1匹 vs ミツバチ多数
  • スズメバチ100匹 vs ミツバチ多数(巣ごと)

の3つです。

 スズメバチとミツバチのタイマン(1対1)

まず、スズメバチとミツバチのタイマン(1対1)ですが、これは種類を問わず100%ミツバチが負けます。

なぜなら、体格と武器のスペックが違いすぎるからです。

ミツバチの体長はだいたい1cmちょっとです。

小さいですよね。

対してスズメバチの体長は、割と小さめなキイロスズメバチにしても2cmくらいです。

オオスズメバチにいたっては3~4cmあります。

どちらもミツバチの倍以上です。

体格差ありすぎですよね。

そして、武器のスペックもまったく違います。

スズメバチの牙は獲物の肉を切り裂くためにあります。

いわば、刀(かたな)とかナイフの類です。

それに対してミツバチの牙は、主にものを挟むために使われます。

主食が花蜜と花粉なので、ものを切り裂いたりする必要があまりないのです。

もちろん巣をつくるのにもつかいますが、ミツバチの巣は蝋(ろう)で作られているので、硬く鋭い刃は必要ありません。

なので、ミツバチの牙は例えるならニッパーくらいなイメージです。

体長は倍以上、武器は刀(かたな)とニッパー。

4メートル級(クラス)の刀(かたな)を持った大巨人にニッパー片手に一人で立ち向かう姿を想像してください。

勝てるわけありませんね・・・ 。

なので、スズメバチとミツバチがタイマンしたら100%負けます。

スズメバチ一匹とミツバチ多数

次に、1匹のスズメバチに対して多数のミツバチが応戦した場合。

これは、ミツバチの種類によって結果が変わってきます。

要は、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違いなのですが、ニホンミツバチなら勝てるけど、セイヨウミツバチだったら負けです。

なぜなら、ニホンミツバチは必殺技をもっているのに対して、セイヨウミツバチはその必殺技が使えないからです。

なので、ニホンミツバチは勝てるけど、セイヨウミツバチは勝てないということになります。

必殺技の名は「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」です。

よく知られている「ミツバチが集団でスズメバチをやっつける」というやつですね。

ミツバチがスズメバチを取り囲んで高熱で蒸し殺します。

スズメバチの硬い装甲を無視してダメージをあたえることができるので、この技にかかれば、でっかいスズメバチもイチコロです。

でも、これはニホンミツバチにしか使えない技なのです。

なので、セイヨウミツバチは集団でスズメバチに立ち向かうときも、「うりゃあ!」ってそれぞれがニッパー片手に立ち向かうしかないんです。

文字どおり歯が立ちません・・・。

ただ、いくら小さなニッパーとはいえ、たくさん集まれば凶器なので、多くの犠牲のもとで勝つこともあります。

たまに、たいした犠牲もなく数匹のスズメバチを仕留める異様に戦闘力の高いセイヨウミツバチの群れがいますが、普通はスズメバチ一匹の亡骸に対して、てんこ盛りのミツバチの亡骸が転がっています。

弱っちいのです。セイヨウミツバチは・・・ 。

ということで、スズメバチ一匹 VS ミツバチ多数は、ニホンミツバチなら勝つけどセイヨウミツバチならほぼ負けとなります。

スズメバチ100匹とミツバチ多数(巣ごと)

最後に、スズメバチ100匹とミツバチ多数(巣ごと)。

いわば総力戦です。

総力戦なので勝ち負けの基準をミツバチが全滅しなければミツバチの勝ちだとします。

全滅したらミツバチの負けです。

こう考えると、たたかいの結末は「相手による」ということになります。

相手がオオスズメバチ以外ならミツバチの勝ち、オオスズメバチならまず勝てません。

理由はひとつ。

オオスズメバチは集団で襲ってくると、攻撃目標を変えてくるからです。

というのも、オオスズメバチ以外のスズメバチ、いわゆるキイロスズメバチやコガタスズメバチなどは、ミツバチの成虫を食べる目的でミツバチの巣を襲います。

巣の周りを飛んでいたり、巣を守ろうと出て来たミツバチが襲われるのです。

そして、この目的は集団で襲ってきてもかわりません。

なので、これらのスズメバチが集団で襲いにきたとしても、「スズメバチ1匹 vs ミツバチ多数」の戦いがそこら中でおこるだけです。

もちろん、相手が多数なのでミツバチ側の犠牲は大きくはなりますが、なんなら巣の中にこもって「籠城(ろうじょう)」することもできるので、全滅することはそうそうありません。

したがって、戦う相手がオオスズメバチ以外であればミツバチの勝ちということになります。

でも、オオスズメバチの場合はちょっと違います。

というのも、オオスズメバチは単独でくるときと集団でくるときとでその目的が変わるからです。

単独だと他のスズメバチと同様にミツバチの成虫を狙ってくるのですが、集団だと「巣の中にいる幼虫」を狙うようになるのです。

これが怖い・・・。

幼虫に狙いを定めたオオスズメバチにとって、ミツバチの成虫はエサではなく単なる「邪魔者」です。

食べるために襲うのではなく、邪魔者を排除するのが目的になるので、片っぱしからミツバチの成虫を攻撃するのです。

さらに恐ろしいのは、集団で襲ってくるオオスズメバチはその目的を「共有」しているということです。

邪魔者を排除して巣を占拠せよ・・・ そんな目的意識をもった集団がくるのです。

その光景は恐ろしいとしかいいようがありません。

ミツバチの巣の前に陣取ったオオスズメバチの集団が、出てくるミツバチをかたっぱしから噛みちぎっていくのです・・・。

その牙の破壊力は凄まじく、ミツバチは一撃でやられてしまいます。

そして、オオスズメバチたちは邪魔者をすべて排除してから悠々と巣の中に入り、占拠するのです。

もちろん、巣の中にいる幼虫が目的なので、オオスズメバチ相手には「籠城(ろうじょう)」が通用しないことはいうまでもありません。

巣の中に入って来てしまいますから・・・ 。

熱殺蜂球という必殺技をもたないセイヨウミツバチならば、数匹のオオスズメバチに襲われただけで全滅します。

しかも、あっという間です。

30分もあれば、全滅させられてしまいます。

この時期、昼めしを食べにいって蜂場に戻って来たら・・・ なんてことが、普通にありますから。

熱殺蜂球という必殺技をもつニホンミツバチだとしても、数匹のオオスズメバチなら撃退できるでしょうが100匹は・・・ 無理でしょうね。

なので、オオスズメバチが相手だったらミツバチの負けということになります。

ちなみにセイヨウミツバチもニホンミツバチも、飼育する場合はオオスズメバチが侵入できないように巣箱の出入り口を狭く作ります。

でも、オオスズメバチは無理やり広げて入ってしまいます。

鋭い牙で巣箱を食い破るのです。

なので、オオスズメバチに乗っ取られた巣箱はみたらわかります。

怖いのでぜったいに近づきませんけどね。。。

まとめ

ここまでの話をまとめると

  • スズメバチ1匹 vs ミツバチ1匹は、戦闘力に勝るスズメバチが勝つ
  • スズメバチ1匹 vs ミツバチ多数は、熱殺蜂球という必殺技が使えるニホンミツバチなら勝てる。でも、セイヨウミツバチは負ける。
  • スズメバチ100匹 vs 巣のミツバチ全部の総力戦は、相手がオオスズメバチ以外ならミツバチは勝てる(全滅しない)。でも、相手がオオスズメバチだったらミツバチに勝ち目はない。

ということになります。

ミツバチとスズメバチのバトルの結末は、「ミツバチの種類」と「スズメバチの種類」、「襲ってくる数」によってかわるということですね。

なので、もし「100匹のスズメバチに襲われたらミツバチは勝つことができるのか? 」と誰かに問われたら、「襲ってきたのがオオスズメバチ以外なら勝てるけど、オオスズメバチだったら負ける」と回答することになると思います。

以上、ミツバチとスズメバチが戦ったらどうなるかというはなしでした。

では、また ^ ^

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