今回はミツバチの巣別れ(分蜂:ぶんぽう)について説明します。
ミツバチの巣別れ(分蜂:ぶんぽう)とは
「春によくニュースでやるアレってなんなの、都会でミツバチが大量に!?みたいなやつ。」
これはミツバチを飼っていると、よくされる質問の一つです。
まあ、回答としては
「単なる分蜂群(ぶんぽうぐん)だよ」
ということになるのですが、ミツバチと触れ合うことのない一般の人たちにとっては「なんじゃそれ?」って感じですね。
分蜂群(ぶんぽうぐん)というのは、ざっくりいうと新居に引っ越し中のミツバチの群れです。
これ「引っ越し中」というのがポイントです。
ミツバチの分蜂というのは、この手のニュースをやるときにたいてい話がでるので、なんとなく知っている人も多いと思います。
いわゆる巣別れというやつで、現在の巣を新しい女王バチに託して古い女王バチが仲間と出ていくというやつです。
なんとなく聞いたことありますよね。
この巣別れをしている最中の群れが「分蜂群」になります。
ここポイントです。
というのも、ニュースでは分蜂の話はするけど、あのミツバチが集まっている現象が「分蜂中」だとはあまり言わないからです。
でも、実はコレとっても大事なことなんです。
分蜂「中」、巣別れしている最中だってことがです。
分蜂のプロセス
ミツバチの分蜂にはいくつかのプロセスがあります。
- 引っ越すメンバーを集める
- 引越し先を決める
- 引っ越しをする
の3つです。
ミツバチが分蜂するときは、最初に引っ越しするメンバーを集めます。
全員が引っ越すわけではないからです。
居残りするメンバーもいます。
こまかいメンツ選びの基準は不明ですが、ざっくりと巣にいるミツバチの半分が出ていき、残りの半分が巣に残ることになります。
もちろん元からいる女王バチも出ていくメンバーです。
で、引っ越しをするにあたってそのメンバーを一箇所に集める必要があるのです。
なぜなら、この時点ではまだ新居が決まっていないからです。
そう、まだ「引っ越すと決めただけ」なのです。
引っ越しするメンバーだけで集まって、新居をどこにするか相談しようよ・・・
みたいなノリです。
集まる場所は巣の外、たいていは巣のそばにある木になりますが、場合によってはその辺の草だったり、人工物だったりします。
そして、引っ越しメンバーが外に集合したところで、新居を決める会議が始まります。
この会議にはいろいろ面白い話がありますが、今回の話には直接関係がないので省略します。
大事なのは「引っ越しメンバーが外に集まって新居を決める」ということです。
会議の時間はまちまちで、10分で決まるときもあれば一日かかるときもあります。
で、無事に引っ越し先が決まったら、みんなで一斉に新居に向かって飛んでいきます。
まとめてピューンと黒い雲のように。
これが分蜂の一連の流れです。
なんでこのような話をするかというと、ニュースになっている現象がどの状態にあるのかというのを理解してもらうためです。
街中でミツバチが大量に群がっている、この状態です。
これは分蜂のプロセスの「1」もしくは「2」の状態になります。
引っ越しメンバーを集めている最中、もしくはそのあとの新居探しの会議中ということです。
ちなみにミツバチはアシナガバチやキイロスズメバチなどと違って、「閉じられた空間」に巣を作ります。
木のウロ、箱やツボの中みたいに暗くて出入口は小さいのがあるだけ、みたいなところです。
なので、街角の人目につく「開かれた空間」にミツバチが群がっていたら、それは巣を作るために集まっているのではなく、分蜂のプロセスの一部、旅立つ前の集合だと考えて良いのです。
わかりますかね?
ニュースになるあの状況というのは、そもそも「集合しているだけ」であり、いなくなるのが前提だということです。
決して人間を攻撃するために集合しているわけでも、巣をつくって永住するために集まっているわけでもないのです。
単に引っ越しのために集まっているだけです。
分蜂群を見かけたときの対処法
このことを理解すると「あること」が分かるようになります。
そう、いざ分蜂群に遭遇したときの対処法です。
もし街角でミツバチが群がっているのを見かけたら、あたたかく見守ればよいということです。
ほっとけば、そのうちいなくなるのですからね。
とはいえ、やっぱりなんか嫌だとか、集まっている場所がそもそも邪魔だとかっていうのなら「養蜂家に連絡する」のがベストです。
たいていの養蜂家は自分のミツバチじゃなくても捕まえにきてくれます。
基本、蜂好きなので駆除されたりしたら可哀想ですからね。
絶対にしてはいけないこと
分蜂群に対して一番してはいけないのが「追い払うこと」です。
殺虫剤をかけるのなどはもってのほかです。
これは「ミツバチを守ろう!」とか「命を大切に!」的な話とは別次元の話です。
危ないからやめた方が良いですよという話です。
というのも、蜂は元来おとなしいものだからです。
特にミツバチは刺すと自分も死んでしまうので、わざわざ人を刺しにくるということはそうそうありません
彼らが刺すのは「身を守るとき」だけです。
攻撃されたから、されそうだから反撃してくるのです。
なので「攻撃と勘違いされることはしない」が、蜂をいじるときの鉄則になります。
追い払ったり、殺虫剤をかけたりするのは間違いなく「攻撃」ですよね。
だから、これは絶対にしてはいけない行為なのです。
基本、分蜂群はおとなしいので殺虫剤でもかけない限りわざわざ人を刺しにくるなんてことはないと思います。
それが証拠に養蜂家が分蜂群を捕まえるときは、かなり適当です。
たいていは分蜂群の下に巣箱を置いて、そのなかにドサッと落とすだけです。
木に集まっているのなら幹をけっとばして振動でおとす。
クワガタを採るときと同じです(笑)
もし枝に集まっていればバサバサゆすって落とす。
手が届かなければ虫取り網ですくって箱の中にバサッと放り込むなど、かなり乱暴なことをします。
でも、刺されません。
なんなら狙いがずれて頭から分蜂群がシャワーのように降り注いでも平気です。
※かつて先輩のお手伝いをしていたら、そんなことがありました(笑)
そのくらい分蜂群はおとなしいのです。
でも、さすがに殺虫剤をかけると怒るので、蜂と人お互いのためにも殺虫剤を使うのはやめたほうがいいよ、という話です。
なにせ、ほっとけばいなくなるのですから、分蜂群は「何もせず放置」がベストです。
まとめ
ここまでの話をまとめると
- 街角で塊になって群がっているミツバチはいなくなるのが前提(一時的な集合)
- こちらが手を出さなければ何もしてこない
- だから、みかけてもほっとけばよし
こんな感じです。
何もないところに急に蜂が集まり出したら誰だってびっくりすると思います。
でも、それは太古から続く自然の営みの一つです。
別に害はないので、分蜂群を見かけたら「いいものみた」くらいの気持ちであたたかく見守っていただけたらと思います。
以上、分蜂とはなんぞや、そして見かけたらどうすれば良いのかという話でした。
では、また ^ ^

