オオスズメバチはミツバチの天敵です。
なので、養蜂家はあの手この手を使ってミツバチをオオスズメバチから守ります。
今回はそのうちの一つ「粘着トラップ」を紹介します。
ミツバチを飼う人にとってはよく知られたことなのですが、一般にはあまり知られていない話なので、よかったら話のタネにでもしてください。
オオスズメバチの習性を利用した最強のトラップ
オオスズメバチにはある変わった習性があります。
それは、ピンチになると仲間を呼ぶという習性です。
嗅覚なのか視覚によるものなのか、はたまた両方なのか細かいことはわかりませんが、ピンチになったオオスズメバチは仲間を呼び寄せることができるのです。
この仲間を呼び寄せる習性を利用して効果的なトラップを仕掛けることができます。
やり方は簡単、粘着シートに「囮(おとり)」となる個体を付けておくだけです。
粘着シートにひっつけられたおとりが仲間を呼び、呼ばれた仲間たちがワラワラと粘着シートに引っ付いていくという寸法です。
粘着トラップは対オオスズメバチにおいて最強のトラップといえるでしょう。
トラップに使う粘着シートは養蜂具屋さんで購入することができますし、ホームセンターで売っている「ねずみ捕り」も使えます。
その場合、屋外で使うので紙の部分に耐水性のあるものを使います。
粘着トラップの注意点
このトラップの肝は囮(おとり)です。
使えるのは生きているオオスズメバチのみ。
死んでいるのは不可、生きているもの限定です。
なので、このトラップを使うためにはオオスズメバチを生捕りにするスキルが必要になります。
ちょっとハードル高めですよね(笑)
だから、このトラップは一般の人には勧められません。
参考までにいうと、養蜂家は子供が虫採りに使う網、捕虫網(ほちゅうあみ)を使って巣箱の周りをとんでいるオオスズメバチを捕まえます。
で、箸やらピンセットやらでつまんで粘着シートに引っ付ける。
他には、飛んでいるオオスズメバチをダイレクトに粘着シートではたくという強者(つわもの)の技もあります(笑)
どちらの方法も手慣れた養蜂家が養蜂場でやるから安全なのであり、一般の人はやめたほうがいいです。
養蜂場にくるスズメバチはオオスズメバチを含め、エサ(ミツバチ)に夢中になってこちら(ヒト)をまったく気にしないのでできることです。
決して、普通の場所でやってはいけません。
リスクが高すぎますから。。。
粘着トラップの効果
また、粘着トラップはオオスズメバチ以外のスズメバチには効果がありません。
粘着トラップはオオスズメバチが仲間を呼び寄せるという習性を利用しているので、仲間ではないキイロスズメバチなどには効果がありません。
じゃ、キイロスズメバチを囮にすればキイロスズメバチがとれるのかというと、それも違います。
キイロスズメバチにはそのような習性がないので、キイロスズメバチを引っ付けておいても効果はありません。
粘着トラップはあくまで対オオスズメバチ、オオスズメバチ専用のトラップになります。
まとめ
ここまでの話をまとめると
- オオスズメバチにはピンチに仲間を呼ぶ
- だから、囮(おとり)を使った粘着トラップがつかえる
- でも、生き餌が必要なので一般の人向けではない
- 粘着トラップはオオスズメバチ以外には効果がない
こんな感じになります。
いつ誰が気付いたのか知りませんが、最強のオオスズメバチにも攻略法があるって話です。
それも一見してプラスなイメージの「ピンチに仲間を呼ぶ」という習性を利用したものです。
興味深いですよね。
よく考えるとふかーい話です。
では、また ^ ^