ミツバチとオオスズメバチの関係

オオスズメバチの針 ミツバチのこと

ミツバチを飼う人にとってはよく知られたことなのですが、一般にはあまり知られていないオオスズメバチとミツバチの関係を紹介したいと思います。

よかったら話のタネにでもしてください。

ミツバチの天敵 オオスズメバチ

ミツバチとオオスズメバチの関係ですが、まあ簡潔に言ってオオスズメバチはミツバチの天敵です。

なぜなら、彼らはミツバチを巣ごと壊滅させてしまうからです。

基本、スズメバチ類はみんな肉食なのでどれもミツバチを襲いますが、オオスズメバチ以外はあまり問題になりません。

なぜか?

オオスズメバチは「ミツバチの幼虫」を狙うからです。

キイロスズメバチなど他のスズメバチは「ミツバチの成虫」をエサとして持ち帰るだけですが、オオスズメバチは巣箱の中にたくさんある「ミツバチの幼虫」を狙ってきます。

狙いをつけた巣箱の前に数匹で陣取って巣箱を占拠しようとするのです。

巣箱の中の幼虫をエサとして持ち帰るのが目的なので、立ち向かってくるミツバチには目もくれません。

文字どおり大きな顎でちぎっては投げちぎっては投げ、ひたすらにミツバチをころしまくります。

で、最終的に巣の中に入り、巣の中にある大量の幼虫をえさとして自分達の幼虫のえさにすべく巣に持ち帰ります。

オオスズメバチに襲われたミツバチの巣は、成虫も幼虫も何も残らないのです。

ミツバチの成虫だけを1匹ずつさらっていくだけの他のスズメバチとの違いはわかりますね。

だからオオスズメバチはミツバチの天敵なのです。

熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)について

一方で、ミツバチにも集団でオオスズメバチに取り付いて熱でやっつける「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」という必殺技があることが知られています。

だから大丈夫、襲われてもミツバチ戦えるだろ! という意見があるかもしれませんね。

でも、これ意外と知られていないのですが、実は熱殺蜂球は「ニホンミツバチ」の技です。

オオスズメバチの生息する日本という国で生き延びるために、ニホンミツバチが長年かけてあみだした必殺技であり、外国からきた「セイヨウミツバチ」には使えないのです。

セイヨウミツバチの故郷であるヨーロッパには、オオスズメバチのように巣箱の占拠を目論むようなスズメバチがいないのが理由のようです。

必殺技を持たないセイヨウミツバチは毒針と小さな牙で立ち向かうしかありません。

もちろん戦闘力に圧倒的な差があるので、立ち向かってもオオスズメバチに一蹴されるのが普通です。

じゃあ、ニホンミツバチなら大丈夫! となるかというと、そうでもありません。

あの技は対1匹でしか使えない技だからです。

オオスズメバチは集団で襲ってくるので、いつも熱殺蜂球が使える状態だとは限りません。

だから、ニホンミツバチにとってもオオスズメバチは天敵になります。

知られざるもう一つの技「逃げる」

ただ、ニホンミツバチには「逃げる」という技もあります

オオスズメバチに集団で襲われてどうにもならないとき、最後の最後で巣を捨てて逃げ出すのです。

これもニホンミツバチだけの技でセイヨウミツバチにはありません。

セイヨウミツバチには逃げるという選択肢はないのです。

彼らは全滅するまで戦います。

まあ、逃げたとしてもオオスズメバチに襲われる時期、夏から秋にかけて巣を捨てて新天地で生活を一から立て直すわけですから、そのあとの越冬が厳しくなるのは間違いありません。

逃げても無事に春を迎えられるかは怪しいということです。

もちろん越冬できる可能性もあるので、逃げないでその場で全滅を待つだけのセイヨウミツバチよりは全然マシですがね。

野生化できないセイヨウミツバチ

ミツバチの対オオスズメバチの戦術をドラクエ風にわかりやすくいうと

ニホンミツバチのコマンド
>たたかう
>熱殺蜂球
>にげる
セイヨウミツバチのコマンド
>たたかう

です。

セイヨウミツバチ弱っ!

まあ、ニホンミツバチにしても対抗手段があるだけで、襲われたらただではすまないことには変わりません。

ゆえにオオスズメバチはミツバチの天敵。

特に対抗手段をもたないセイヨウミツバチにとっては最悪の敵です。



でも、この関係性は生態系をまもるのにも一役買っています。

オオスズメバチの存在はセイヨウミツバチの野生化を防いでいるといわれてます。

知ってのとおり、ミツバチは春になると分蜂します。

いわゆる巣別れですね。

ニホンミツバチもセイヨウミツバチも同じように分蜂し、群れを増やします。

在来のニホンミツバチは好き勝手に増えてもらって結構なのですが、外国うまれのセイヨウミツバチはねえ、、、

色々と問題があります。

そんな色々な問題をオオスズメバチが防いでくれているのです。

まとめ

ここまでの話をまとめると

  • オオスズメバチはミツバチの天敵である
  • その理由は集団で巣を占拠しようとするから
  • 「熱殺蜂球」と「逃げる」はニホンミツバチの技。どちらもセイヨウミツバチは使えない。
  • オオスズメバチはセイヨウミツバチの野生化も防いでいる

こんな感じになります。

オオスズメバチはミツバチの敵だというはなしです。

でも、見ようによってはオオスズメバチは日本の養蜂、国産のハチミツを守っているとも言えなくもありません。

なぜなら、セイヨウミツバチの野生化を防いでいますからね。

野生化するようになったら、風あたりが強くなってセイヨウミツバチの養蜂できなくなっちゃうかもしれません。

そうなったら国産のハチミツが・・・

意外にふか〜い話かと。

では、また ^ ^

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