今回はミツバチのことを書きます。
分割(ぶんかつ)の話です。
養蜂家はどうやってミツバチの群れを増やしているのかってことを説明します。
ミツバチの群れを二つに分けるとどうなるか
養蜂家は人為的にミツバチの群れを増やします。
その方法はいくつかありますが、一番簡単なのが新しい箱を用意して群れを2つに分けるだけというやつです。
こういうと
「え、そんなことしても女王蜂は1匹しかいないんだからダメじゃない? どっちか女王蜂がいなくなっちゃうじゃん。」
そう思う人がいるかもしれません。
でも、大丈夫。
女王蜂がいない方の群れは新しい女王蜂を勝手に作りますから。
なんでそうなるのか説明しますね。
女王蜂がいない群れはどうなるか
実はこの群れを2つに分けたり3つに分けたりする方法、専門用語では「分割(ぶんかつ)」というのですが、この分割にはルールがあります。
そのルールとは
「女王蜂のいない箱には卵がある巣枠をいれておくこと」
です。
卵さえあれば働きバチが勝手に女王蜂を作ってくれます。
ミツバチの女王蜂はそのフォルム、役割からして何か特別な遺伝子を持って生まれてくると思われがちですが、実は働き蜂と同じ遺伝子で同じ卵、普通の有精卵から生まれます。
じゃあ、一体何が両者の違い生み出すのかというと、それは幼虫のときに食べさせられる特殊な餌の量、それだけです。
この特殊な餌というのがあのローヤルゼリーです。
健康食品のアレですね。
ローヤルゼリーを最初しかもらえないのが働きバチになって、ずっともらえるのが女王蜂になります。
なので、その餌の切り替え前なら普通の働きバチになるべくして育てられていた幼虫でもジョブチェンジして女王蜂になれちゃうのです。
ということで、分割した時点で女王蜂がいなくても、巣の中に卵さえあれば、そこから生まれた幼虫を働きバチが勝手にジョブチェンジして女王蜂にしてくれます。
ミツバチの群れは2つに分けるだけでそれぞれ独立した群れになる。
面白いですよね。
ま、実際には他にも気を配らなくてはいけないことがあるのですが、話が長くなるのでそれはまた今度にします。
基本的には、ミツバチは2つに分けたら2つの群れ、3つに分けたら3つの群れになるものだと考えてよしです。
ミツバチの群れはいつでも増やせるものか
こんな感じで養蜂家は群れを増やしていくのですが、これは年がら年中できることでもありません。
なぜなら、女王蜂は交尾してなんぼだからです。
せっかくジョブチェンジして新しい女王蜂が生まれても、産卵できなかったら意味ないですからね。
交尾できる期間にしかやりません。
ミツバチの交尾期間は春から夏にかけてで、秋が深まるにつれてだんだんと交尾率が下がってきます。
なので、人為的に群れが増やせるのもこの時期だけになります。
まとめ
ここまでの話をまとめると
- ミツバチの群れを2つに分けるとそれぞれ独立した群れになる。
- なぜならミツバチは女王がいないと勝手に新しい女王を作るから
- 養蜂家はこの習性を利用して群れを増やしている
- とはいえ、年がら年中できることではない。
こんな感じになります。
ミツバチの群れは人為的に増やすことができます。
でも、年がら年中できることではないんで、ミツバチが欲しい人は事前に養蜂家に頼んでおく必要があります。
ミツバチは要予約ということですね。
覚えておきましょう。
なんのこっちゃ?と思うかもしれませんが、意外に深い話です。
ヒントはポリネーション。
以上、ミツバチの群れを二つに分けるとどうなるかという話でした。
では、また ^ ^