セイタカアワダチソウのハチミツ

ミツバチとセイタカアワダチソウの写真 養蜂

今回はミツバチの話。

セイタカアワダチソウのハチミツが市場にない理由を養蜂家目線で説明します。

セイタカアワダチソウのハチミツを見かけないのはなぜか

セイタカアワダチソウというのは、あの秋になるとブワッとまとめて咲く黄色いやつです。

道路の脇だとか空き地でみかけることが多いと思います。

まわりの植物をやっつけるアレロパシーというチカラが強く、あたり一面に黄色くてファサファサした花を咲かせるので、見ようによってはとっても綺麗なのですが、一般的には雑草扱いの植物です。

というか、外来種だとか花粉症の原因だとか言われて、悪者のイメージが定着していると思います。

そんなセイタカアワダチソウですが、実はハチミツが採れます。

セイタカアワダチソウは蜜源植物(みつげんしょくぶつ)で、そのハチミツは海外ではゴールデンロッドハニーと呼ばれて人気があるのです。

でも、日本ではセイタカアワダチソウから採れるハチミツのことはあまり知られていません。

スーパーマーケットでみかけるハチミツはレンゲやアカシアばかり、その地域でとれるハチミツを販売している道の駅に行っても、サクラやミカンのハチミツはあっても、セイタカアワダチソウのハチミツをみかけることはまずないですよね。

あんなにたくさん咲いているのに、なぜでしょう?

市場にない理由

それにはちゃんと理由があります。

それは・・・

くさいからです(笑)

絶対に口に入れたくないようなデンジャラスな香りがします。

例えるなら、ソフトに言って納豆(なっとう)、リアルに描写すると部活のあとの靴下の匂いです。

汗にまみれて酸っぱい匂いを放ちはじめているアレです。

とても口に入れたいとは思わないですよね。

しかも、ふんわりと匂うのではなく強烈に匂います。

セイタカアワダチソウが咲く季節(10月から11月)は、巣箱の置いてある蜂場に近づくだけで「うげっ」と思うくらいの強烈さです。

そのくらいキッツイ匂いがするので、たとえ巣箱に蜜がたくさん入っていても誰も採蜜しないのです。

だって食べたくないでしょ、靴下の匂いがするハチミツなんて・・・。

ちなみに私なんか舐めたことすらありません。

別記事で書きましたが、巣の中にあんまりハチミツがたまりすぎるとミツバチが困ることがあります。

でも、セイタカアワダチソウが咲く季節にそうなることはまずありません。

なので、たくさん貯まっても採蜜はせずに、そのまま残してミツバチのごはんにするのが常となります。

とってもくさいから誰も採りたがらない、それが日本でセイタカアワダチソウのハチミツを見かけない理由です。

別名ゴールデンロッドハニー

じゃあ、なんで海外では人気があるのかという話になります。

海外のゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)は匂わないか、食文化の違いであちらの人はあの匂いを「いい匂い」だと感じるのだと思いますよね。

ちがいます。

どちらもハズレです。

海外のゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)も匂いがして、あちらの人もその香りを不快だと感じています。

というのも、海外の養蜂書にはゴールデンロッドの匂いに関する記述があり、そこには「ゴールデンロッドは古い靴下のような酸っぱい匂いがする」としっかり書かれているからです。

やっぱり靴下です(笑)

外人さんも同じように感じるんですよ、あの匂いを。

文化に違いがあるとはいえ、普通に考えたら靴下の匂いをポジティブな比喩には使いませんよね。

そもそも匂いに関する記述がある時点で、あちらの人々にとってもゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)のハチミツが放つ匂いが、気になるたぐいのものだともいえます。

間違いありません。

セイタカアワダチソウの蜜は万国共通でくっさいのです(笑)

ただ、さっきの養蜂書の記述には続きがあって、そんなゴールデンロッド(セイタカアワダチソウ)も、熟成すると匂いが消えて美味しくいただけるようになると書かれていました

あの匂いは未熟ゆえにするものだということです。

きっと海外で販売されているゴールデンロッドハニーは熟成してあの匂いが消えたものなのでしょうね。

海外で採蜜されたセイタカアワダチソウのハチミツ「ゴールデンロッドハニー」。

もしもお店で見かけたら、話のたねに買ってみるのもありですね。

ちなみに国内でもセイタカアワダチソウのハチミツを採蜜しているところは存在します。

日本の蜜源植物という書籍の中の「都道府県別、月別の採蜜状況」というページにセイタカアワダチソウの文字があるからです。

北海道、新潟県、神奈川県、愛知県、徳島県なんかで採蜜されています。

なので、このあたりの道の駅とか行けば、純国産のセイタカアワダチソウのハチミツに出会える可能性があります。

でも、国産、外国産いずれの場合も、大容量のものは避けたほうが無難だと思います。

だって、本当にあの匂いが消えているのならいいですけど、もし残っていたら・・・ ねえ(笑)

まとめ

ここまでの話をまとめると

  • セイタカアワダチソウのハチミツを市場で見かけないのは「くさい」から
  • でも、熟成するとその匂いは消えるらしい

こんな感じです。

邪魔者扱いされがちなセイタカアワダチソウ、国内ではあまり流通してませんがハチミツのもと、蜂のごはんになるものなので、なるべくなら駆除せずにいただけるとありがたいです。

以上、セイタカアワダチソウのハチミツの話でした。

では、また ^ ^

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