今回はミツバチのことを書きます。
越冬の話です。
野外に住むミツバチが冬の寒さをどうやってやり過ごしているのかということを説明します。
越冬するミツバチ
ミツバチって冬はどうしているの? 死ぬの?
養蜂をしているとよく聞かれます。
冬は花も少なくなりますし、野外で蜂たちの姿を見なくなりますからね。
彼らはいったいどこへ行ってしまうのだろう・・・ という疑問を持たれるのだと思います。
答えは「巣にこもっている」です。
とはいえ、熊のように冬眠しているわけではありません。
ちゃんと起きてます。
ミツバチは覚醒したままで、巣の中で「おしくらまんじゅう」みたいなことをして冬を越します。
ミツバチは寒いと飛べません。
というか、動けなくなります。人が凍えて動けなくなるのと同じで、寒さで体が麻痺して動けなくなるのです。
なので、冬になって気温が下がるとミツバチは外へ出て行かなくなります。
ちなみに養蜂家のあいだでは、この蜂が飛べるか飛べないか、活動できるかどうかの境目の気温は「8℃」だと言われています。
なぜなら、蜂(はち)度だからです。
・・・・ 。
ま、この話は置いといて、実際のところは「人がコートを着たいな」と思うくらいの気候になるとミツバチは巣箱からあまり出てこなくなります。
で、巣箱の中でみんなで身を寄せ合って過ごすようになります。
体温をシェアするためです。
1人でいるよりも他の人とくっついている方が暖かいですよね。
ミツバチも同じです。
さらにそれぞれが運動することで体温を上げます。
走ると体が熱くなるのと同じ理屈ですね。
人は寒いと足踏みをしたりしますが、ミツバチの場合も似たようなもので羽を動かす筋肉を使って熱を生み出します。
羽ばたくための筋肉を羽ばたかないで使うのです。
なにやら彼らは筋肉の動きを羽に伝えるか否かを自らの意思でコントロールできるみたいです。
クラッチを切ったエンジン、車の暖気運転みたいなものですね。
そんなことをして、個々の体温を上げるのです。
みんなでひっついて運動することでポカポカになる。
まんま、おしくらまんじゅうですよね。
おしくらまんじゅう効果でポカポカになったミツバチは、外が氷点下になっても巣箱の中でぬくぬくと過ごすことができます。
ミツバチの巣箱は暖かい
このぬくぬく度、いったいどのくらいかというと・・・ ネコくらいです。
そんな大げさなと思うかもしれないですが、体感的には本当にそんな感じなのです。
知らない人が冬場にミツバチの巣箱を触るとびっくりすると思います。
あきらかにこの箱の中に生き物がいるぞ、とわかるだけの熱量を感じるからです。
小さな哺乳類、本当にネコでも入っているんじゃないかと思うくらい温かいのです。
なので、冬場は巣箱を開けなくてもミツバチの安否を確認できます。
巣箱をさわって温かければミツバチたちは無事と言うわけです。
もしも、寒空の下、巣箱に頬ずりしている養蜂家がいても変な目で見ないであげてください。
きっと、ほっぺたで巣箱の熱を確認しているだけですから(笑)
まとめ
ここまでの話をまとめると
- ミツバチは冬の間巣にこもり、熱をシェアしている
- その温かさはネコくらい
以上、ミツバチが寒い冬をどうしのいでいるのかという話でした。
では、また ^ ^