今回はミツバチのことを書きます。
彼岸花とミツバチの話です。
いま時期(9月)の蜂場ではどんなことが起きているのかと、これからミツバチたちに待ち受けるであろう受難について書こうかなと。
彼岸花(ひがんばな)が咲いたら・・・
3連休に蜂の様子を見に行ったところ、蜂場には彼岸花(ひがんばな)が咲いていました。
一瞬「早くない?」と思ったのですが、よく考えたらもうすぐ「お彼岸(おひがん)」なんですね。
来週は秋分(しゅうぶん)です。
秋分の日の前後3日間が「お彼岸(おひがん)」の時期ですから、20日が彼岸の入りになります。
もう直ぐそこです。
ほかに蜂場の周りで咲いている花は、ヌルデ、タラノキ、イタドリ、ソバが目につきました。そしてサルスベリはもう終わりっぽい感じです。
ミツバチはレモンイエローとオレンジ系の花粉を盛んに運んでいます。
内検すると、尻振りダンスしているミツバチもいたので、何かが流蜜しているのかも知れません。
暑さ寒さも彼岸まで。朝晩、だいぶ涼しくなってきましたし、この流蜜をきっかけにこれから育児が増えていくことを期待します。
ただ、一方でこれからの時期ミツバチには受難がつづくのです。
オオスズメバチのトップシーズンをむかえる
お彼岸を過ぎてすずしくなると、自然界の「虫(むし)」が一気に減ってきます。
そうすると虫をエサにしている生き物たちが、寄ってたかってミツバチの巣をねらいにくるのです。
なかでも、ヤバいのはミツバチがオオスズメバチに襲われたときにすることでも紹介した「オオスズメバチ」です。
現在の所、大軍団で襲撃というのはないですが、ちょこちょこやられています。今回も朝イチで蜂場をのぞくと、すでにオオスズメバチがきていました。
一つの群れが狙われていて、巣箱には数匹のオオスズメバチがへばりついていました。ミツバチたちは発着台の上で防御体制をとっています。
早速、捕虫網とトーチバーナーを持ってミツバチの救出に向かいました。
まずは捕虫網を使って巣箱にへばりつくオオスズメバチを引き剥がします。引き剥がしたオオスズメバチは、ちょっと離れたところで軽く踏み潰します。
反撃が怖いので必ず1匹ずつ処理していきます。
巣箱に取り付けたスズメバチ補殺器にも、生きているオオスズメバチが数匹入っていたので、トーチバーナーを使って炙りました。
補殺器内でもミツバチは迎撃に出てしまうことがあるので必ず炙るのです。
しばらく巣箱の側で待ち、オオスズメバチの後発隊を捕らえて、無事に救出完了しました。
巣箱の前にはミツバチたちの亡骸が山になっていました。
今回の被害は茶碗一杯分くらいです。全滅するほどの量ではないですが、越冬に向けて手痛いダメージを与えられました。
今年はこのくらいの襲撃をたびたび受けています。
いまのところ全滅させられるような重大な被害は出ていませんが、まだスズメバチシーズンは始まったばかりで、今後はどうなるかわかりません。本当に胃が痛くなります。
ちなみに例年だと11月頃までやつらは襲ってきます。気が重いです・・・。
今年はキイロスズメバチをみていない
ところで、今年はオオスズメバチばかりでキイロスズメバチを全然見かけません。
例年だと、まずキイロスズメバチの猛攻が続き、その後にオオスズメバチの襲撃が始まるのですが、今年はキイロスズメバチの猛攻がないまま、オオスズメバチの襲撃が始まりました。
そういう意味では、例年よりマシなのかもしれません。
キイロスズメバチの巣は軒下や木の枝などにぶら下がっているので、大型台風で落ちた可能性があります。対してオオスズメバチは地面の下に巣を作るので、被害をまぬがれたのかもしれません。
もちろん地面の下にあっても、大雨で土砂が崩れたりすれば巣は潰されてしまうので、被害を受けたオオスズメバチの巣もあるでしょう。
そんな感じで、蜂場周辺でスズメバチの巣が大幅に減っているかもしれません。
まあ、希望的観測ですけどね。
なんにせよ、スズメバチ対策として事前にできることは全てやってあるので、あとはなるようにしかなりません。
さて、どうなることやら・・・
これから涼しくなってくると、スズメバチはどんどん増えていきます。さらに、スズメバチ以外もカエル、カマキリ、トカゲなどの捕食者がミツバチをねらって巣箱のまわりに集まってきます。
かわいいミツバチも彼らにとってはたんなるエサでしかありません。
ミツバチが飛びまわる巣箱のまわりは、捕食者たちにとってはエサが無限に湧き出るパラダイスのようなものです。
ミツバチをねらって捕食者たちがあつまっているさまをみると、ブリやカツオに追い回されているイワシみたいだなと思う今日この頃です。